創業社長へ

62歳の誕生日を迎えてすぐに天国に旅立った父へ


生前のあなたと私はとても仲が悪かったですね。
いつもきびしく、女はこうあるべきというあなたの考えに反発ばかりしていて
私はあなたが亡くなってしまっても、しばらく許すことはできませんでした。
物理的な事情で、やむなく私が継がなくてはならなくなった会社では
わけのわからない工業製品、男性社会、体質の古い業界、
年上の社員を抱えるストレスなど、私には初めてで、苦しく、嫌なことばかり。
なぜ、私がやらなくてはいけないのか?と、恨んだこともありました。

生前「パッキンというのは固いものと固いものの間にはいる柔らかい物。
これがないと、なにも生まれない。柔らかいもので隙間を埋めて、漏れやこぼれがなくなる。
小さくて安価でかくれているけど、すべてが円滑にいくようになる大事なものなんだ。」

と、言っていたあなたの言葉の意味がやっと最近わかってきました。

たとえ、どんなに目立たなくても、世の中のお役にたてるということがどれだけ意義の
あることか、ということ。

仕事だけでなく、人生の意味をおしえてくれたあなたに今はとても感謝しています。

生きてる間に親孝行できずに本当にごめんなさい。
でも、今、あなたが作った会社は私がしっかり守っていきます。